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2006年2月 2日
プリンタのインクが高い --本質論が隠れたまま
リサイクルインクについて高裁の判決がでた -- 狭い視野で判断していて、メーカにとってもためにならない
連続して新聞からの話題で恐縮だが、一面でしかも大きく取り上げていて、私もこの件についてはかねがね疑問をもっていて、ひとこと言いたくごたくを並べてみた。
キャノンの特許権がどこまで及んでいるのか不明だが、この裁判で業界でまかり通っていることが表にでてきて、メディアや消費者にこの問題があることが広く知れることになればいいと思う。しかし、単なる法律論で片付けてしまってはキャノンなどのプリンターメーカも胡座をかいたままで値下げの努力をしないだろうし、消費者にとってもハッピーにならないと思うがどうだろうか。
高裁はインク漏れの構造が特許だからインクを再充てんするときにそこをいじるので特許に触れると判断しているが、キャノンのカートリッジを見てないので推論だが、すくなくともその特許申請には再充てんについての記述は無いはずで、今回の判断はキャノンの後付の屁理屈を大きく採用したという感じを持っている。
インクそのものはインクメーカから仕入れていて今度の争点にすらなってないようだ。キャノンも無理矢理こじつけて、裁判所もなんとか特許に結びつけようとしたのではないかと見ている。ちょっと苦しいかなぁ~って感じがする。
問題が起きた背景
①単なる消耗品なのに、インクが本体価格に比べてバカ高い
②残ったインクが使えない、カートリッジ自体の資源の使い捨て ※
※回収先でどのように資源が生かされているのるかは全く不明だが、まがりなりにも店頭に回収ボックスが備えられている。エプソンでは一部が梱包材になるとはあるがほとんどは製鉄所の燃料になると書かれている。これでは名古屋市のプラスチックゴミ処理の方法と一緒で、カートリッジは一回限り使われて、あとはただ燃えるだけだ。これでは使える機能が残っているのに、使わないのだから資源の再利用とはとてもいえない。
実は、これらは表面的なことで、問題の本質はプリンターメーカ各社が「エビでタイを釣る」商法を平然とやっている点である。エビ(安いプリンタ本体)に顧客が飛びついたらその後は鯛(利益の塊のおいし~いおいし~いインク)がなんの営業努力も広告宣伝もしなくても自動的にどんどん釣れる仕組みだ。そして気がついたらプリンタ本体の何倍ものお金をインクにつかっていたことに唖然とする。
なぜかプリンター各社は申し合わせたように同じ商法なので、消費者はどんなに高かろうが気にくわなくとも、どれかのメーカのを買わなければならない。もし、一社でも独自の販売戦略で消耗品を安くするメーカが現れれば、顧客は皆そちらに流れるのは必至で、それを考えると今のプリンタ業界は認定は難しいが独占禁止法のカルテルにひっかるのではないかと思いたくなる。なぜなら、プリンターは独自のノウハウと精密技術を持ってないと作れないので、世界的にみてもそう簡単に他社が入り込めない背景があるからだ。
きょうび年賀状と言ったらインクジェットプリンタが当たり前で、そのほかでも仕事に、趣味にプリンターを一切使わないですむ選択枝はないだろう。結局どれかのプリンタを使わざるを得ないわけで、そしてどのメーカを選んでも似たり寄ったりで、そこには消費者の自由選択は事実上ない。まさにプリンターメーカたちの思う壺にはまっている。
この辺の現状と、プリンタ業界の本質を裁判所はよ~く考えて判断をすべきだったと思っている。
まぁ、ここで私がゴタゴタ言うまでもなく、消費者は経験的にこの問題にすくなからず疑問をもっていると思われる。プリンタを使い始めるとインクの費用が馬鹿にならないことにだれでもが気がつく。『たかが消耗品がなんでこんなに高いのか!?』って
次に、『もっと費用を抑えられないか?』とだれでも考えることだ。さらに、リサイクル品とか自分でインクを注入することが自然発生的にでてくる。
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/2579/index.htmlさんの『プリンタのインクの連続供給方式』のページがインクカートリッジについて詳しく実験している。
しかし、プリンタメーカはこれらを一切無視をするし、否定をし、特許権を振り回す。素人が見てもおかしな値付けが当たり前のようにまかり通っているのに・・・・消費者がこう感じていることをメーカーは知らないはずはない。だからなおさらのこと疑念を覚える。
例えば、黒が少ししか入ってない小さなカートリッジと5色も入っている何倍も大きなカラーインクカートリッジに同じ価格を付けて涼しい顔をしているメーカは尋常ではない。
中日新聞2006.2.1朝刊社説より抜粋 今回は高裁も大した判断もしてないのでマーカーで強調するポイントもない
インクカートリッジ
リサイクル品差し止め
知財高裁 キヤノン逆転勝訴
インクジェットプリンターの使用済みカートリッジにインクを再充てんしたリサイクル品の輸入販売は特許権を侵害しているとして、キヤノン(東京都)が業者の「リサイクル・アシスト」(同)を相手に販売差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁大合議部(篠原勝美裁判長)は三十一日、請求棄却の一審判決を取り消し、差し止めと製品の廃棄を命じた。キヤノンの逆転勝訴となった。
知的財産分野の重要案件について、裁判官五人が審理する大合議部の判決は三件目。リサイクル社は上告の方針。
篠原裁判長は「再充てんは、開封時のインク漏れを防ぐという発明の本質部分を構成する部材の加工、交換に当たる」と指摘。「キヤノンの製法を再実施するもので、特許権を侵害する」と述べた。
リサイクル社側は「環境保護や消費者利益の面からもリサイクルを認めるべきで、キヤノンは高価な純正品で不当な利益を得ている」と主張していた。
しかし、同裁判長は「リサイクルは必要だが、権利侵害は認められない」と述べ、「リサイクル社は、研究開発や製造の費用を負担しておらず、主張は正当性がない」とした。
東京地裁は2004年12月、「再充てんは修理の範囲内で、特許権を侵害しない」として訴えを退け、キヤノン側が控訴していた。
問題となったのは、カートリッジ内の加工でインク漏れを防ぐ製法の特許。一審判決によると、リサイクル社は中国から、キヤノン製カートリッジにインクを充てんした製品を輸入して販売した。
カートリッジの小売価格は、純正品の800-1000円に対し、リサイクル品は600-700円。民間調査会社の調査では2004年3月~12月のリサイクル品販売比率は約3%という。
キヤノンの話 主張が認められ、妥当な判決と評価する。
リサイクル・アシストの話 判決内容に不服なので、上告する方向で検討している。
投稿者 hal : 2006年2月 2日 00:47