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2008年6月24日

メディア各社は正しく伝えていたか 正確で公正な記事と責任ある論評

6月20日の記者会見をメディア各社がどう伝えるかに、大きな関心をもっていました。
私の住んでいる片田舎では高知のローカル新聞は読めませんし、テレビをみることもできません。わずかにインターネットで公開された記事などを読むのが精いっぱいです。
ラジオ・テレビの電波媒体はチャンスを逃したらあとで確認することも絶望的ですが、新聞など活字が残る媒体はしっかり行間まで読むことができます。

なんでこの点にこだわっているかといいますと、高知のメディア各社がきちんと報道機関としての役割を自覚し、それに沿った仕事をしていたのかという、大きな疑念をもっているからです。
ズバリ、「高知白バイ事故」についてです。

ありふれた、そして事故状況も容易に検証できたはずの事故現場でした。
事故当日、新聞社、テレビ局が現場の鮮明なスチール写真、ビデオ映像を、撮りました。
ところが、
当日撮った「決定的な写真と映像」がなぜか一年数か月以上も後になってから、おもむろに出されてきました。


写真も映像もあったじゃないか!なんで報道しなかったのか
と、言いたいわけです。
とにもかくにも遅かったわけです。その背景になにがあったのか・・

報道各社がそのような決定的な写真・映像を撮影していて、しかもその後もちゃんと大事に持っていたことが明らかになりました。事故の関係者でそのことを知っていたのはだれだったでしょうか。

ファインダーを覗きこんでその決定的な対象を写真や映像のど真ん中に捉えたカメラマン、それらを後でしげしげと見ながら記事を書いた記者、テレビで流した報道局の記者らはその存在を間違いなく知っていたはずです。
そういう写真や映像を毎日見慣れている記者たちですから、その存在を見逃すはずはありません。なんせど真ん中に写っているわけですから。

方や、まったく知らない人たちがいました。
弁護側の人はだれも知りませんでした。また遺族も知らなかったと思われます。
遺族にとってももちろんのこと、事故の関係者はすべて等しく知っておかなければならない重要な写真・映像でした。

過ぎ去った話をしても今となってはどうしようもありません。が、しかし当時の報道各社のとった不可解な行動がうやむやにされることはあってはなりません。
そこでもう一度、当時とその後の報道っぷりをみてみます。

財団法人・日本新聞協会のホームページをみるまでもなく、新聞社など報道機関の己の責務は、民主主義を根っこで支える「国民の知る権利」を守り、「正確で公正な記事と責任ある論評」の責務を果たすことであります。

    それがお念仏になっていないか
      己の責務を自らから放っぽり投げてはいなかったか
         そして、高知の現場でなにが行われていたか
         ・・・・
これらはきちんと公の場で検証されるべきです。

決定的な写真や映像を持っていた

それらが事故翌日に出されていれば・・・・
どこかの社や局がたとえたった一社でも写真などを出していれば、「高知白バイ事故」は「高知白バイ事件」にならずに済んだはずだと、大変に悔やまれます。
というのも、そのような驚愕の写真・映像が出たとしたら関係者の間で大騒ぎになり、すぐさま現場に直行して確認するはずです。写真に写っているものが本当に路面にあるのかと血眼になって捜すはずです。各自が自分の目で確かめ、その証拠を写真に収めようとするはずです。
ところが実際は、写真に写っているようなものがあることを誰も知る由もありませんでした。そういう情報すらなかったわけで、仕方なかったことです。そんな状況下でしたが、それでも遅くとも事故翌日には教育長ら何人もの人が現場を訪れ、路面を見ているのですがだれもそんなものがあるとは気がつきませんでした。
写真にはあれほどくっきり鮮明に写っていたものが翌日の路面では見つけられなかったのです。そのような鮮明な物証が現場で見つけられないはずはないのです。
タイヤ痕のようなもの、さっか痕のようなものはそもそも少々なことでは消そうとも消えるものではないのに、です。

不幸にも隊員は亡くなりました。それにもめげず遺族はその悲しみを乗り越えて、いまごろは日常の生活に戻れ、間違っても二重の不幸に巻き込まれることはなかったと、返す返すも残念でなりません。

その意味で、高知の報道各社のとった行動に大きな過ちがあったといわざるをえません。これら写真・映像を只の一社もおくびにも出さなかったという事実はどうしても見過ごすことはできません。これまでなんども取り上げてきましたがもう一度取り上げてみます。2社の事例です。

・・・ 1年7ヶ月後になって掲載された わざわざ点線で囲んで強調している  ・・・

2007年10月28日、高裁判決(10月30日)の2日前、高知新聞事故当日の写真
15時50分ごろ
「事故発生から1時間15分の時点」と、キャプションにある

高裁判決(10月30日)の2日前、
2007年(平成19年)10月28日付 朝刊 29面の記事
高知新聞


・・・ 1年3ヶ月後に放映された ビデオの一コマ ・・・

2007年6月7日地裁判決の日、RKC高知放送『高知アイ』の映像事故当日の映像


地裁判決の日(2007年6月7日)
RKC高知放送『高知アイ』の映像 

写ってた!」と、誰もが驚いた


日本新聞協会が改めて「取材・報道指針」について念を押している

今年の初め、裁判員制度が始まるのを受けて再確認の意味で以下の文書を出しています。そこには、

      ■ 公正な裁判
     ■ 事案の真相を明らかにすることにある
     ■ 捜査当局や裁判手続きをチェックするという使命がある
     ■ 被疑者を犯人と決め付けるような報道
     ■ 内容のすべてが
      そのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう
      記事の書き方等に十分配慮する

と書いています。

例に洩れず、NHK高知をはじめとして高知の報道機関はすべてこの日本新聞協会の会員です。

・・・ 日本新聞協会「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」について ・・・

 日本新聞協会20080116

この指針を意識しながら、これまでの報道っぷりをみてみます。
現実点で知りえている各社の記事を読んで、引っかかったのは事故状況をどう表現しているかです。高知新聞、朝日新聞、そして毎日新聞の記事のなかで事故の状況をどう説明しているかに注目してみました。それと遺族の会見の内容も関心があります。

表にして比較してみます。

報道機関記事読み取れる内容、所感
朝日新聞 訴状では、06年3月3日、春野町弘岡中の国道56号で、スクールバスが右折して国道に入り、白バイに気づかず走行したため、激突した白バイの隊員を死亡させたとしていて、・・・・ネット上の記事なので新聞紙面より詳細さに欠ける
訴えを起こした遺族がそう主張しているのだと、明らかにしている。
毎日新聞 06年3月、高知市春野町の国道で仁淀川町が運行するスクールバスと白バイが衝突し、白バイ隊員(当時26歳)が死亡した事故で、・・・ネット上の記事なので詳しくは書いてない
深くは立ち入らず、衝突した事実だけが書いてある
高知新聞 十八年三月、高知市春野町の国道56号で県警交通機動隊の白バイと吾川郡仁淀川町のスクールバスが衝突、・・
 事故は仁淀川中学校のバス(生徒二十二人、教諭三人乗り)が国道56号沿いの飲食店から、国道に右折進入する途中で、右から来た白バイと衝突し、隊員が死亡した。
新聞紙面ならではで、詳しく書いている。

●バスは国道に進入する途中・・
と明確に書いてあり、すなわちバスは道路の途中で衝突したと読める。

もっと常識的にみれば動いている途中と読める。
これから横断を始める車が必要もないのに道路の途中で止まることはないので、よってその裏返しで「バスは動いていた」と、読者が読み取っても不思議はない。
この記事は高裁の判決を不服として最高裁へ上告中の時点であること。
しかもこれが警察・検察の主張だと明記もされておらないこと。
よってこれだけを記事に載せることは、これがそのまま真実であるとの印象を読者に与えかねず、極めて不適切である。
   
   

ところで高知新聞において、このような書き方は実はこれが初めてではありません。
もっとも古いところでは2006年03月04日、すなわち事故の翌日にはすでにこの書き方が登場しています。
高知新聞社の朝刊ヘッドラインにこう書かれています。-->  こちら

  ■ この件についてエントリーをあげています。詳しくは -->  こちら

その第一報は事故翌日だったということもあり、百歩譲って高知新聞は何も知らずに警察発表だけを鵜呑みにして記事にしたとも考えられます。もしそうだったとしたら、そのときは仕方がなかったと許されるかもしれません。

しかしです、
その後、裁判もありいろいろな事実が判明してきたそういう状況のなかで一昨日の記事で従前と同じような書き方になっていることをどう説明できるのでしょうか。
どう大目に見ても、不自然ですし、不適切だと言わざるを得ません。

さきのエントリーの焼き直し版で恐縮ですが、要点を表にして載せておきます。 -->  こちらの一部

 記事読み取れる内容、所感
・・・・白バイが道路左側のレストラン駐車場から出てきた吾川郡仁淀川町の仁淀中学校のスクールバスと衝突。スクールバスがレストランからノコノコでてきて、動いているところに白バイと衝突したとも読み取れる
・・・・バスは土佐市方面へ向かうためレストラン駐車場から対向車線へ入ろうとしていたという。バスが対向車線に向かって「動いている途中」とも読める。

警察が「動いていた」とほのめかしていたのか、現場を見ている記者としてはどうも合点がいかず、そうかといってバスが止まっているところに衝突したとも書けずこのようなあいまいな書き方になったのか。

当然にブレーキ痕(のようなもの)が写っている鮮明なカラー写真も見ているはずで、また現場も
見ていることで、「おかしい!?」と不審に感じたのではないか。
しかしながら警察の意図を感じとっているので、あからさまにそれに反するは描写できないのでこのような書き方になったと。
・・・・吉岡巡査長はバスをよけようと右側にハンドルを切ったが、よけ切れなかったのではないかとみられ、・・・・白バイは回避措置をとったが間に合わなかった、バスの方が出てきたと思わせるような書き方になっている。
当然のことながら警察の実況見分はすでに完了している時点の記事であって、警察の雰囲気も掴んでいて現場も見ている記者としてはこれが精一杯の表現であったのではないか。
もっといえば警察の思惑と事故状況がきっちり把握できていたからこそこのような巧妙な書き方になったのではないかと。
記者自身が現場で見たこと、写真に写っていること、警察がゆってることの全てに納得がいっているならもっと具体的に書いているはずだと。


 朝日新聞 2008年06月21日

白バイ事故訴訟 遺族と和解成立

2008年06月21日

 旧春野町(高知市春野町)の国道で06年3月、県警交通機動隊の白バイと仁淀川町のスクールバスが衝突、同隊員(当時26)が死亡した事故で、隊員の遺族が同町と元バス運転手に損害賠償を求めていた訴訟は20日、高知地裁で、町側が遺族に1億円を支払うことで和解が成立した。元運転手に対しては、事故状況についての主張が異なっているとして取り下げた。

 訴状では、06年3月3日、春野町弘岡中の国道56号で、スクールバスが右折して国道に入り、白バイに気づかず走行したため、激突した白バイの隊員を死亡させたとしていて、バスを保有する仁淀川町と元運転手に対し、事故で被ったすべての損害(総額約1億5700万円)の賠償を求めていた。

 和解について仁淀川町の藤崎富士登町長は、「裁判所からの和解勧告を厳粛に受け止め、和解を受け入れる決定をした。遺族には小さなお子さんもいるし、(元運転手が上告している)刑事裁判とは切り離して考え、遺族との間で早い解決をしたいと願っていた」と話した。

 和解後、会見した元運転手は、「民事裁判でも事故について事実をきちんと争いたかったが、一方でご遺族の方にはできるだけ多額の保険金が支払われることを願っていた」と話した。

毎日新聞 2008年6月21日 地方版

春野の交通死亡事故:1億円支払いで仁淀川町が和解 /高知

 06年3月、高知市春野町の国道で仁淀川町が運行するスクールバスと白バイが衝突し、白バイ隊員(当時26歳)が死亡した事故で、隊員の遺族が同町とバスを運転していた同町森、片岡晴彦被告(54)=業務上過失致死罪で有罪判決、上告中=を相手取り、1億5700万円の損害賠償を求めていた訴訟は20日、町が遺族に1億円を支払うことで和解が成立した。片岡被告に対する訴えは取り下げられた。

 片岡被告は同日、高知市内で会見を開き「民事で事故の真相を明らかにできなかったのは残念だが、遺族の方々へ多額の保険金が支払われることになった点では、よかった」と話した。

 片岡被告は業務上過失致死罪に問われ、1、2審で実刑判決を受けたが、無罪を主張し最高裁に上告中。【千脇康平】

毎日新聞 2008年6月21日 地方版


2006.6.21朝刊

白バイ事故
仁淀川町と遺族和解
高知地裁 元運転手への訴え取り下げ

 十八年三月、高知市春野町の国道56号で県警交通機動隊の白バイと吾川郡仁淀川町のスクールバスが衝突、隊員=当時(二六)=が死亡した事故で、隊員の遺族が同町と元バス運転手(五四)に約一億5千万円の賠償を求めた訴訟は二十日、同町が遺族に一億円を支払う内容の和解が高知地裁で成立した。遺族は同日、元運転手への訴えを取り下げた。
 元運転手側は事放形態などを争う姿勢を示し、高知地裁は今年五月、元運転手を分離し遺族と町の間で和解を進めていた。和解金は町が契約していた損害保険から支払われる。藤崎富士登・仁淀川町長は「和解による解決を望んでいた。あらためて隊員のご冥福を祈りたい」とコメント。
 元運転手は同日会見し、「事故状況を争っており和解には加われなかったが、遺族に保険金が支払われることを願っていた。真相究明の意味で取り下げは残念だが、刑事訴訟で引き続き全力を尽くす」と話した。
 一方、隊員の妻は「町が早期和解を希望し、弁護士の勧めもあり受け入れた。加害者が責任を負わないことにわだかまりが残るが、不合理な弁解を続けており、事故の償いをさせるのはもう無理と考えた」と話した。
 事故は仁淀川中学校のバス(生徒二十二人、教諭三人乗り)が国道56号沿いの飲食店から、国道に右折進入する途中で、右から来た白バイと衝突し、隊員が死亡した。
 業務上過失致死罪で起訴された元運転手は「バスは停止しており過失はない。バスのスリップ痕を捏造(ねつぞう)された疑いがある」と無罪を主張。
 一審、二審は実刑を言い渡され、最高裁に上告している。

最後に
高知白バイ事故では報道機関がしかるべきことを実直にやってきたのか、いやどうもそうではないようだということが調べてみてわかってきました。
読者から不審がられる報道機関に未来があるでしょうか。
国民が知っておかなければならないことをもれなく伝えてきたでしょうか。
判断するのはあくまでも国民です。
報道機関のおごりで自らの編集権を振りかざす時代はもう過ぎ去った話です。
  公共放送だとゆってはばからない某国営放送でさえ編集権を全面に出して強弁するありさまですが

警察の記者クラブから追い出されたくないがためにへつらう報道機関でいいんですか
そのような関係にしてしまった片方の当事者として猛省をしてほしいものです。
もういちど原点に立ち返って襟をきちんと正してほしいと思います。

世間ではマスゴミと揶揄され、ごみ扱いにされているのも、元を辿れば国民がもっとも知らなければならない重要なことを新聞・テレビが伝えない事実があって、それを積み重ねてきたあげくの評価ではないでしょうか。
それが的を外れていないというのも悲しすぎます。

また、上告中の高知白バイ事件について、弁護側に不利になるような(警察を擁護するような)書き込みが報道機関のある社のドメインにあるコンピュータからされた疑いがあり、限りなく黒であると指摘されています。
そのエントリー記事の根拠を確かめるべく掲示板のその書き込みまで調べました。
元の書き込み時刻、それをみて写真のページをアクセスした時刻、その後掲示板に書き込んだ時刻、そして掲示板からやってきたアクセス、元の書き込みに反応してして書き込んだ内容を総合すれば、その社のコンピュータが関与した疑いがあり、黒である蓋然性が高いとみて、私もサーバーなどリソースを動員してその指摘に注目をしているところです。

そこまでして権力側におもねくことがあるのか
そうまでしなければならない部外者では想像もできないなにかが?
もっと過去までさかのぼらないと見えてこないなにかが?

疑問が尽きません。

投稿者 hal : 2008年6月24日 00:09

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