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2009年11月24日

新著が訴えているもの 『あの時、バスは止まっていた 高知「白バイ衝突死」の闇』

バス走行検証が無事終わったとのことで、なりよりでした。
特に衝突事故現場での検証はハラハラドキドキものだったのではないでしょうか。とにもかくにも、お疲れさまでした。後ほどレポートがでてくるかもしれませんが、さっそく速報版がアップされています。

   ● 支援者さんの「第4回バス走行検証 無事終了」 --> こちら
   ● kochiudonさんの「第4回バス走行検証が終了」 --> こちら
   ● 坂本議員の「11月23日-2「走行検証で警察証拠の信憑性に疑問符」 --> こちら (jbhさんの紹介で追記)
   特に40km走行からの急ブレーキ、これには度肝を抜かれました。
   「もう、反論はさせない」と。

ノンフィクションものを読むことがあります。が、どうしても硬くって読み切るのも難しく、萎えてしまいがちになります。実際に起きた事件を取り上げている『特捜検察の闇』、『知られざる真実』は隅から隅まで読みました。その記憶があるものですからこの新著もその延長線上にあるのかな、どんなストーリーになっているのだろうかと、怖いもの見たさというかワクワクしながら待っていました。警察・司法史に消すことができない重大な汚点を残したこの「高知白バイ事件」を山下氏はどう料理するのだろうかと、興味津々でした。

手にとって、序章から不意を突かれました。


 電話の声は、うわずっていた。
「話だけでも、聞いてもらえませんか?」
 そう言うと男性は、堰を切ったように話し始めた。

 二〇〇七年八月二十一日午後。知人を介して私の携帯電話を鳴らした男性は・・・・・

この書き出しで一気に惹きつけられました。が、ほどなくして気を取り直しました。
一日もあれば読めてしまうかもしれないけど、「待てよ」と。

この本では、事故状況について私の記憶や理解を確認することと決めていたのですが、それだけではなく、もっとも知りたかったのが著者・山下氏がなにを訴えようとしているかを掴むことでした。それには行間も交えて、一字一句じっくりと読まなければダメと正気にもどったわけです。

ノンフィクションにありがちな硬さだけが強くでるのかと想定していたのですが、見事に外れました。まるでテレビの中でドラマを観ているという感じです。描写がリアルで、登場人物の場面も多く、それらの人たちの口から事件の本質を発している構成に新鮮さを感じます。どこぞの小説家が斬新な発想で新作を書いた、という感じ。

不幸な交通事故だったわけですが、あろうことかそれに絡んで警察、検察・裁判所が登場し、考えられないことを平気でやらかす輩が暗躍し、とても法治国家ニッポンとは思えない謀略が平然と行われたことを、ときにはハッとする表現で、しかしギラギラさせない手法で書いていることに惹きつけられます。

初めて事件を知ることになった読者に最大限の配慮をしつつ、しかし事件が広まったことでもっと知りたいという読者に対しても飽きさせない構成は素晴らしいと思います。
できるだけ正確に事件を理解してほしいという思いもさることながら、すでに始まった第二幕、その先を見据えて著者・山下洋平氏が訴えているものは何か。

新刊情報ニュース
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投稿者 hal : 2009年11月24日 05:00

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