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2010年3月28日

「第三者機関」で検証必要 ~捜査権付与は欠かせない


   足利事件 菅家さん無罪確定

これだけの大問題となっても、裁判所には原因究明をやろうという意欲も感じられず、意志・能力すらないとみなされても仕方ありません。究明できるチャンスはなんどもあったのにこのザマですから、もはや切り捨てる他ありません。

足利事件でも警察・検察・裁判所の無能ぶりが顕になりました。
その他の冤罪事件を調べても警察の杜撰な捜査がその発端です。が、25万人を対象に何か対処しようにも彼らの価値観を変え、脈々と流れている警察文化を是正し、社会人としてのモラルを復活させようにもほとんど不可能と思えます。また裁判所が能力がない実態に対しても、人員を入れ替えるしか方法はなさそうで、これもすぐに対応できそうにありません。

このような状況ですが、すぐに出来そうなことは関所となるはずの検察がその機能をしっかり果たしていればそうそう破廉恥な冤罪事件にまで発展することはないと考えられ、ここに手を突っ込むことが現実的だといえます。

警察がいい加減な捜査をやれば突っ返せばいいだけのことですし、検察は警察に対しても凛とし、裁判所との交流も廃止し、最低限、力関係に引きずられないようにすれば関所の機能の一部は取り戻せるはずです。が、しかし、捜査能力については、いまの検察ではどうしようもないです。

「第三者機関」にも捜査権を与えるべき
高知白バイ事件の裁判記録を読みました。検察が証人を尋問している記録を丹念に読みましたが、担当した検事に社会人としての常識と、高校程度の物理と科学的論理思考があれば警察が出してきた証拠といわれるものに嘘が散りばめられていることは容易にわかる、そんな次元の低い話です。

交通事故でさえ、まともに調べられない検察がより専門分野について調べられるという道理はないでしょう。検察がちゃんと機能していないことはこれまでの裁判の事例でも明らかです。専門知識、資質が一番のネックになりますが、彼らにないものねだりしたってしょうがありません。六法全書だけでは裁判はできないからです。

だったらきっぱり諦めて、日弁連が提言するように「第三者機関」という話がでてくるのもごく自然な流れです。ただその提言では、「第三者機関」に明確な捜査権を与えるという話まではででてないようです。実際に仕組みが動くことになれば調査の壁にすぐにブチ当たることになります。100%機能する捜査権を与えないとお手上げになるのは目に見えています。

もう一つ付け加えたいのは「再審請求」時には、仮称「審査会」に証拠認定をさせることです。なんども書いてきましたが、日弁連の提言に加えてほしいものです。
その審査会は日弁連が提言する「第三者機関」と同一でよく、そこには捜査権が付与され、警察にも検察にも踏み込んで捜査ができることが大前提となります。

   ■ 裁判官に「証拠の認定」をさせない ~再審を根底から変える --> こちら

「高知白バイ事件」も専門家が集まった「第三者機関」が捜査すれば一発で見破られるはずです。すくなくとも証拠もないのに有罪になる蛮行はきっぱり阻止されるはずです。
仕組を根底から変えることになり司法の大変革となりますが、裁判所もまったく機能しない現実があり、警察はデタラメをやってる実態がある以上、やらざるを得ないところまで来たということです。

捜査権も「第三者機関」に実質取り上げられるわ、起訴独占もその一角が崩れました。やがて検察自体が要らないということになるかもしれません。それを食い止めれるかどうかは検察自身が腹を括れるかどうかにかかっていますが、果たしてタコツボから脱出できるでしょうか。

胸先三寸でどうにでもなる起訴猶予だとか、自分にとって都合のいい証拠だけしか出さない最良証拠主義だとか、平然と証拠隠しをするだとか、証拠の捏造も厭わない、などなど。いつまでもやってるようじゃ、早晩消滅する他ありません。裏ガネもまだ断罪されてませんしね。

司法に関わっている人はとかく「司法の信頼を取り戻すため」という枕詞を付けたがりますが、そんな生易しいことをゆってる時はとっくに過ぎた、と強調したいですね。厳しいいいかたもしれませんが。

中日新聞2010年3月27日

 再審に詳しい一橋大法科大学院の村岡啓一教授(刑事法)は「虚偽自白のメカニズムが解明されると期待した分、非常にがっかりした」とため息をつく。
 判決は、自白の理由を「DNA型が一致したとの結果を告げられたことが最大の要因」とし、「強く言われるとなかなか反論できない菅家さんの性格...」とも述べた。
 村岡教授は「菅家さんはDNAのことなんて理解していなかっただろうし、まして性格のせいとはとんでもない。原因が捜査側にあることを見逃している」と憤る。その上で、誤判を検証する制度として、「第三者機関」の設置を提案する。
 日弁連は今月十八日に「誤判原因を究明する調査委員会」の設置を求める意見書を採択した。調査委は、法律や心理学などの専門家で構成。公判で出ていない記録の提出要請や、証人尋問を実施する独立した権限を与えられ、誤判原因の究明や関係機関に対して改善勧告などができる。
 意見書をまとめた小池振一郎弁護士は「ここ数年で誤判が次々と明らかになった。司法の信頼を取り戻すためにも調査委設置のような制度改革が緊急に求められる」と話す。

・・・ なぜ誤判究明できず 「第三者機関」で検証必要 ・・・
中日新聞2010年3月27日
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なぜ誤判究明できず
菅家さん無罪確定
DNA鑑定に限界

 突然の逮捕から十八年余。足利事件の再審公判で菅家利和さん(六三)の無罪が確定し、冤罪を訴えた闘いは一つの区切りを迎えた。しかし、再審で誤判原因の全容が解明しきれたとは言い難い。第二の足利事件を生まないためにはどうすればいいのか。取り調べの可視化やDNA型を再鑑定する権利の保障など、課題は突きつけられたままだ。(足利事件再審取材班)
  ■自 白
 「合格点には達しているが、誤判原因の究明の点では不十分な部分がある」。判決後の会見で、佐藤博史主任弁護士は険しい表情で切り出した。
 判決では、鑑定は人為的ミスだったのか、精度が悪かっただけなのかはっきりしない。
佐藤弁護士は「なぜ誤った鑑定がまかり通ったのか明確にしていない。裁判所には限界がある」と指摘した。
 再審に詳しい一橋大法科大学院の村岡啓一教授(刑事法)は「虚偽自白のメカニズムが解明されると期待した分、非常にがっかりした」とため息をつく。
 判決は、自白の理由を「DNA型が一致したとの結果を告げられたことが最大の要因」とし、「強く言われるとなかなか反論できない菅家さんの性格...」とも述べた。
 村岡教授は「菅家さんはDNAのことなんて理解していなかっただろうし、まして性格のせいとはとんでもない。原因が捜査側にあることを見逃している」と憤る。その上で、誤判を検証する制度として、「第三者機関」の設置を提案する。
 日弁連は今月十八日に「誤判原因を究明する調査委員会」の設置を求める意見書を採択した。調査委は、法律や心理学などの専門家で構成。公判で出ていない記録の提出要請や、証人尋問を実施する独立した権限を与えられ、誤判原因の究明や関係機関に対して改善勧告などができる。
 意見書をまとめた小池振一郎弁護士は「ここ数年で誤判が次々と明らかになった。司法の信頼を取り戻すためにも調査委設置のような制度改革が緊急に求められる」と話す。
 ■精 度
 裁判所は長年にわたり、警察庁科学警察研究所(科警研)が一九九一年に実施した誤った鑑定結果を修正できなかった。
 修正の機会は、逮捕から六年後の九七年。
弁護側は菅家さんの毛髪を独自鑑定し、科警研のDNA型と一致しないとして最高裁に再鑑定の実施を求めた。
だが二〇〇〇年、最高裁は弁護側の主張をくみ取ることはなかった。東京高裁の再審請求即時抗告審で再鑑定が認められたのは、その八年後だった。
 DNA型鑑定に詳しい伊藤和子弁護士は「容疑者や被告人が再鑑定を早期に受けられる権利を認め、立法化すべきだ。捜査段階の鑑定に弁護士が関与できるような仕組みも必要だ」と主張する。
′菅家さんが逮捕された当時の鑑定は、千人に一・二人が一致する程度の精度だったが、現在では理論上四兆七千億人から一人を識別できるとされる。ただ、その最先端の鑑定でさえも神奈川県警が一月、DNA型の検体を取り違え、別人の逮捕状を取るという人為的ミスを犯していた。
 伊藤弁護士は「鑑定人の主観や検体の取り違え、混合で、最高水準でも誤ることを肝に銘じてもらいたい。裁判官は科学が絶対ではないことを学ぶ必要がある」と訴えた。
 ■可視化
 また、DNA型鑑定と並んで捜査側の支えとなった〝自白″。再審公判では菅家さんの取り調べ録音テープが再生され、可視化議論を活発化させた。
 しかし、二十五時間分の録音テープを警察・検察が保管している事実が明らかにされたのは再審が決まってから。逮捕につながった警察署での取り調べは録音されたかどうか確認できなかった。
 可視化導入を訴えている小坂井久弁護士は「なぜ無実の人が虚偽の自白をさせられたのか。全面可視化されていれば全体像や構造が分かり、もっと早い段階で無実を証明できたはずだ」と指摘する。

「第三者機関」で検証必要

投稿者 hal : 2010年3月28日 00:00

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