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2011年1月12日

裁判官にめぐり合えるかどうかで決まる再審開始 ~高知白バイ事件

【 追記:隠されているNさんの供述調書 】 新着記事

 再審請求といえば、
第五次再審請求で認められ無罪判決が出された「徳島ラジオ商事件」を思い起こします。
あまりに時間がかかりすぎ(32年)、無罪判決を聞くこともなく被告は亡くなっています。

裁判を担当した秋山裁判官が著書『裁判官はなぜ誤るのか』の中で書いています。

、「シーツ上に明確に印象された靴跡」の写真は、犯行現場に外部の犯人が進入していた事実を雄弁に証明している。検察はどうして、この写真を隠匿したまま茂子さんを犯人として起訴し、訴訟を進めたのか。そもそも、「六葉の写真」を実況見分調書から引き剥がしたのは、いったい誰なのか。これらの写真が、もし裁判所に提出されていたならば、茂子さんが犯人であるとする根拠は雲散霧消したのではないだろうか。この重大な事実が公判裁判所に明らかにされず、「六葉の写真」が欠落したままの実況見分調書が証拠として採用され、茂子さんに有罪が宣告されたのである。判決を下した公判裁判所は、調書上も明確な「六葉の写真の欠落」という重要な事実について、いったいどのように考えて判決したのだろうか。


「警察、法務局人権擁護課への告白 ~白鳥決定を受けて劇的な展開となった」 こちら 
から一部再掲します。

検察はどうして、この写真を隠匿したまま茂子さんを犯人として起訴し、訴訟を進めたのか。
と書いています。

これは高知白バイ事件を彷彿とさせます。
高知白バイ事件では「検察によって隠された6枚の写真」に相当するのが、
一枚たりとて開示されてない現場を写したネガフィルであり、
もう一つが
下記のビデオにも登場する、
衝突の瞬間までずっと白バイを目で追っていたNさんの目撃証言を記録した員面調書
(警察官によって作られた調書)が裁判にも出されず、
ずっと隠されたままになっていることです。

・・・ Nさんはこの開いた窓から白バイが衝突する瞬間まで目で追っていた ・・・
mokugekiSeat.jpg
  ■ 衝突の瞬間まで見ていた生徒 窓を開け、顔を外に出して見ていた --> こちら


第四次再審請求のときの出来事がこう書かれています。

刑事訴訟法四三五条六号(再審請求は、有罪となった者が、明らかに無罪と認められる新しい証拠を提出したときに認められる)に該当する事由なしとして棄却した。
この間、NとAに対して偽証罪による告訴がなされたが、徳島地検は不起訴としていた。この不起訴処分に対して徳島検察審査会は「起訴相当である」との裁決をなし、検察に対して起訴するように勧告したが、徳島地検はそれでも起訴しなかった。
もし二人を偽証罪で起訴し、二人が有罪になれば、刑訴法四三五条二号「原判決の証拠となった証言......が確定判決により虚偽であったことが証明されたとき」には再審を開始すべしとする規定により、茂子さんに再審が開始されることになってしまう。
つまりは、検察は検察審査会の勧告を無視してまで、茂子さんの再審請求への道を徹底的に妨害したのである。

これまた高知白バイ事件を思い起こさせます。

まとめてみると、
この事件が劇的な展開になったのは、
  1.白鳥決定が出たこと
です。が、その前に実は偽証をした二人があいついで
  2.徳島東警察署、徳島地方法務局人権擁護課という公的機関に対して告白していた
ことも重要なポイントになりました。
話が前後し恐縮ですが、「偽証罪による告訴へ」とすぐ上の話につづきます。

ただ高知白バイ事件と違うことといえば、
この「告白」については、今後も事件関係者は誰も告白(内部告発)することはない
と思われることです。残念なことですけど。

第三章の終りのほうでこう書いています。

 しかし、たとえ検察官の起訴が誤っていたとしても、審理する裁判官さえ慎重に科学的・合理的に判断する構えで審理をし、「疑わしきは被告人の利益に」との憲法上の原則に従って判決をしたならば、茂子さんがこれほどまでに苦しむこともなかった筈である。この事件における裁判官の事実認定は、通常、要求されている科学的・合理的判断というレベルからはあまりにも逸脱している。

著書では「科学的・合理的に」という言葉が随所にでてきます。
先のエントリー
で第六章をとりあげ「60年前の最高裁判例」を引き合いにだしました。

裁判の現場では、たとえ科学的・論理的証明を蔑ろにした判決を出したとしても、
それだけでは最高裁からはお咎めがないということは経験的にわかっていて、
だからそれでいいんだと思って杜撰な判決を繰り返すことになっているのではないか
と思われます。

著者はそこに警鐘を鳴らしたく、主張されているのだろうと行間を読んでそう思います。
事実、最高裁はそれら判決を支持していますし、
上告をことごとく棄却してくれていますから、
やはり最高裁の判例どおりにやっていれば大丈夫なのだ、
と思い違いをしているものがいたとしても不思議はない、と。

彼らにしてみれば最高裁の判例は絶大なわけで、
その通りにやっていてどこが悪いの!?というぐらいなことではないでしょうか。

高知白バイ事件を担当した片多康裁判官(高知地検)と
柴田秀樹裁判官(高松高裁)に会ってここら辺を問い質してみたいものです。

事態が思わぬ展開になることも予想され、
過去の事例が何かの参考になるかもしれないと思い取り上げてみました。

やっと今日の本題です。
 高松地裁で、先月動きがあったと、KSB 瀬戸内海放送が渾身の第26弾で伝えています。
  ◇ 2011/01/11 高知白バイ衝突事故(26) 事故から5年 成人式での思い --> こちら

・・・ 先月下旬に動きがありました。担当の裁判官が平出喜一裁判官に決定。高知地検に対し、3月末を回答期限として、再審請求についての意見を求めていることがわかりました。 また片岡さん側にはバスのブレーキ痕の検証などを申し立てるのであれば今月中に提出するよう連絡がありました。請求から2ヶ月あまり、裁判官が再審を開始するかどうか判断するべく動き出しました。

・・・ 高知地裁 平出喜一裁判官 ・・・

hiraideKiiti.jpg

こんど担当する平出喜一裁判官が
秋山裁判官が著書で繰り返し指摘している「科学的・合理的判断」ができる裁判官かどうか。
もし再審開始決定がされたら、それこそ上や下やの大騒動になりますが、
それも踏まえ粛々と判断を下せられる裁判官かどうか。

隠されたネガフィルムに気付き、提出させることができるか。
隠されたNさんの調書を出させることができるか。
まさに、裁判官、その人にかかっています。
ご注目ください。

※ ホームページの方のリンク
    ■ 高知白バイ事件 『あの時、バスは止まっていた』 --> こちら
※高知白バイ事件についての、ブログサイト内の総目次
    ■  高知白バイ事故 --もくじ--  0803  --> こちら


【 隠されている供述調書 】
山下洋平著『あの時、バスは止まっていた』第五章、「葬り去られた調書」に
Nさんの隠された調書のことが書かれています。
その中で最良証拠主義もでてきます。
P.171
この節「葬り去られた調書」P.167~というのは、
上で述べた◇隠されている一通の供述調書のことです。丁寧に説明されています。

事件を知るには最適の一冊です。
時系列で構成されていて、著者が事件を追った700日の記録です。
是非、お薦めします。
・・・ あの時、バスは止まっていた 高知「白バイ衝突死」の闇  山下 洋平 (著)  ・・・
anotokiBusStopped_2.jpg

投稿者 hal : 2011年1月12日 17:48

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