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2013年4月16日

まやかしのアホノミクス ~2%インフレが制御不能に・・・ (((( ;゚Д゚)))


 日銀がお札を刷って財政赤字を埋めている?の疑念から→
国債が売られ長期金利上昇→インフレ→さらに金利が上昇→インフレ加速→制御不能

 インフレ予感→キャピタルフライト→円安→物価上昇→インフレ加速→制御不能


集団的自衛権・安全保障もそうですが、
TPPもそう、憲法もそう、この2%インフレもどれも根源は同じとみています。

安倍さんは自分の脳みそで熟考しようとせず、(おそらく思考不能、理解もできない)
結局、取り巻きから吹き込まれたことだけで突っ走るので、
ニッポンを危機的状況の瀬戸際に追い込んできていることも理解できずに
大変困った事態になっています。

 ということなので「売国奴、国賊だ!」と罵倒されても、弁護のしようがありません。
甘んじて受けて貰うほかありません。


あのイケノブ氏ですが、
珍しく一理あるお説なので、取りあげてみます。
「インフレ目標」というのは、インフレが過度にならないように
目標を決めるというのが元々の意味なのに、
それを勘違い?した安倍晋三氏が、
「インフレを起こさせるんだ」だと暴走してきたので、
危機感が一挙に高まっています。

政府自らが、インフレにすべく物価を上げるように仕込み、
それが首尾よく成功した事例というのは、これまでの世界でもないだろうと指摘されています。
そんなバカなことをする奴はいないから、事例がなかっただけのことだと。

それを無理矢理「やっちゃおぅ」というんですから・・・

http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2012/12/2-2.php

政治に屈服した日銀は2%のインフレを起こせるのか

2012年12月21日(金)17時59分

消費者物価指数の前年比上昇率(%)1971~2011
shohishaBukka.jpg
・・・
上の図でもわかるように日本の消費者物価上昇率が2%を超えたのは1991年が最後で、80年代のバブル期でも平均1.3%だった。今ゼロ以下の物価上昇率を2%にすることは普通の金融政策ではできないので、できなければクビになるとなれば、長期国債や社債などを数百兆円規模で購入するしかないだろう。それがマイルドなインフレですむ保証はない

 安倍氏はインフレ目標の意味を取り違えているようだが、これはインフレを起こすための目標ではない。主要国で唯一インフレ目標を法的に定めているイギリスが1992年にこれを設定したのは、ERM(欧州為替相場メカニズム)から離脱して変動相場制に移行し、ポンドの為替レートが変動することを防ぐためだった。

 ERMでは一国だけがインフレ政策を取りにくいが、ポンドが離脱すると政治家が金融緩和を求めてきたとき、拒否するのがむずかしい。そこで2%以上のインフレを禁じてイングランド銀行の独立性を守るために設定されたのがインフレ目標なのだ。安定している物価をわざわざインフレにする目標を設定した国はない

 これほど安倍氏がインフレ目標にこだわるのは、来年夏の参議院選挙に負けると、5年前と同じように退陣を迫られるためだろう。自民党の集票部隊である土建業者に公共事業を発注するためには、国債を大量に発行するしかない。第2次安倍内閣で副総理兼財務相になると予想されている麻生太郎氏は「政府はいくら借金しても大丈夫」というのが持論で、来年度の当初予算も国債の新規発行枠44兆円をはずして100兆円を超える大型予算を組む方針だ。

 要するにインフレ目標というのは目くらましで、本音はバラマキ公共事業のための財政ファイナンスなのだ。しかし日銀の国債保有高は100兆円を超えた。今は超低金利なので何も起こらないかもしれないが、日銀が大量に国債を買うと市場に「日銀はお札を刷って財政赤字を埋めているのではないか」という疑念をもたれ、国債が売られると長期金利が上昇(国債価格は下落)してインフレが起こり、それによってさらに金利が上昇する・・・というインフレスパイラルに入るおそれがある。

 安倍氏は「インフレが2%になったら日銀が政策金利を上げればいい」というが、スパイラルに入ると金利上昇で銀行が含み損を抱えるので、政策金利を上げるとさらに損失が拡大する。日銀のバランスシートが悪化して100兆円以上の国債を売却したら、国債市場は崩壊して邦銀の多くは債務超過になるだろう。「ここで止めよう」と思った所では止まらないのだ。

 政治家が中央銀行に金融緩和を求めるのは万国共通である。財源がなくなったとき中銀にお札を刷らせる誘惑に負けることも多いので、途上国では財政ファイナンスによるインフレは日常茶飯事だ。しかし日本でそんな政策をとると、1000兆円を超える政府債務という「時限爆弾」が爆発して、日本経済は粉々になるだろう。

 各国でインフレ目標や政策協定(アコード)が結ばれているのはこういう政治的圧力を防ぐためであり、中銀を政治家の貯金箱に使うために政策協定を結ぶなどというのは世界の笑いものだ。日銀の独立性は、安倍氏のような政治家から通貨の信認を守るために定められているのである。

本題はここからです・・
野口悠紀雄氏:インフレ目標2%は達成不可能
インフレ目標2%は達成不可能 2 | コタツ評論」から一部転載

野口:  ・・・
少なくとも巨額の財政赤字から抜け出せない政府は、インフレを求めていますね、あるいはこういう状況の中で、赤字が増えるから財政ができない、政治家は財政を増やして人気取りをしたいですから、その制約はぜひとも外したいですね。で、インフレを求めている人は世の中に大勢いますね。負担を負うのは国民です

神保: ひじょうに初歩的な質問で、どういう形で国民に負担という形で返ってくるんですか

野口: 定期預金がチャラになるんです。これは日本国民は終戦直後に経験したことですよ。終戦直後に、基本的にいまと同じようなことが起きて、インフレが起きたんです。物価が120倍くらいになったんですね。で、戦時中に戦時国債をたくさん買わされましたね。この国債が紙切れになったわけですね。そのことがまた起こるということです

神保: それはハイパーインフレ

野口: ハイパーではないですね、ハイパーってのは一兆倍とかそういうことですからね。日本の場合、100倍くらいですからね、100倍でもね、100円が1円に、100万円が1万円になるのは、大変なことですよ

神保: いまの100倍なんていう可能性とか危険性はどれくらい現実的なものとして、われわれが考えなきゃいけないんでしょうか

野口: それはどの程度の国債を発行するか、どの程度財政支出を増やすかによりますね、どの程度というのはいえません。何をやるかによります。ただし、終戦直後と違うところは何かといいますと、いまは資本取引、国際的な資本取引が自由になっているということですよ。その結果、何が起こるかというと、日本でインフレが起こると予想したら、日本の資本は海外に逃げ出すということです。これをキャピタル・フライトといいますが、キャピタル・フライトをするとなるとそれは円を売るということですから、円安になりますね。円安になって輸入物価が上がりますね。ですから、国内のインフレが加速されますね。そういうことになって、コントロールできなくなる可能性がひじょうに強いですね。つまり、日銀引き受けを認める、日銀の独立性を破るってのは、そういう危険に日本を晒すってことです。だから、それゆえにひじょうに重大な問題なんです

神保: で、いまの話は、自民党の三本の矢といっているけれども、実際は三本めの矢は実際はほとんどまだ出てきていない感じで、成長戦略とか規制緩和とか出ていうないので、じつは財政出動だということなんですか、これは

野口: 財政出動はすでに決めたわけですね、で、財政出動をやると国債は増えますね、金利が上がりますね、金利が上がると問題なので日銀が買うと

神保: すると結局は、財政出動を中心に据えた、でまあそれをちょっと金融緩和という

野口: それをスムーズに行うために金融緩和をやるわけですね。だけど、財政出動のために国債を買うのが目的だというと批判が集まるから、だから物価を上げるんだといってるんですね。だからそれはまやかしの目的です


野口悠紀雄氏:インフレ目標2%は達成不可能
クリック ↓ でYoutubeを開く  野口悠紀雄氏:インフレ目標2%は達成不可能

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このビデオをすべて文字に興された大変な労作があります。ご紹介します。
 ◇ インフレ目標2%は達成不可能 1 | コタツ評論
 ◇ インフレ目標2%は達成不可能 2 | コタツ評論

単純すぎる安倍首相の頭の中 日銀黒田は早くも逃げ腰になった (日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/425.html 投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 4 月 14 日 00:07:01: igsppGRN/E9PQ

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8514.html
2013/4/13 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ

安倍首相が今月10日、衆院予算委員会で、こんな楽観論を振りまいていた。

「大胆な金融緩和でデフレマインドをインフレマインドに変える」「いよいよ、物価が上がると思わなければ、人は物を買わない。物が売れて企業の収益が上がり、労働分配率が増えて、だんだん従業員の給与が上がっていく」

アベノミクスで2%のインフレを起こす。そうなれば、人々は値上がりする前に物を買う。デフレマインドはインフレマインドに変わっていく。こんな見立てを改めて強調したわけだが、つくづく単細胞な男だ。

日銀が異次元の量的緩和をしたところで、物価が自動的に上がるわけではない。むしろ専門家は否定的だ。物価が過熱気味のときに金融を引き締めるのは効果があるが、逆は無理だ。そんな意見が圧倒的なのに、安倍は物価が上がり、物が売れて、賃金まで上がっていくと無邪気に言う。本気で信じているのだとしたら、大バカだが、実はもう、安倍の夢物語を打ち砕く出来事が現実になった。

吉野家の牛丼値下げだ。

並盛り牛丼を100円下げて280円にすることを発表したのだが、その理由を安倍に聞かせたいものだ。

「従来の価格では満足できる売上数に届かなかった。客が求める価値のうち、もっとも大きな要素は価格だ」と吉野家の安部修仁社長。

要するに、値下げしなけりゃ売れないのだ。世間では相変わらず、身を切るようなデフレ、値下げ競争が続いているということだ。

◆間違いと限界が露呈したアベノミクス

こうした動きは牛丼業界に限らず、ユニクロもイオンも政府が決めようとしている消費税還元セールの禁止に猛反発している。値下げしなけりゃ売れないことを一番よく知っている業界からの悲鳴である。

いかに安倍が能天気か、苦労知らずのボンボンかが分かろうというものだ。

「リフレはヤバい」の著者で慶大大学院准教授の小幡績氏はこう言った。

「アベノミクスの問題点は2つあります。
1つは、吉野家の例でも明らかなように金融政策で物価は上げられないのです。上げられるのは株や不動産などの資産と、円安による輸入価格だけです。
それなのに、アベノミクスはインフレを起こせると思っているし、そうなれば、駆け込み需要で物が売れると信じている。
問題点の2つ目は、たとえインフレになっても物は売れないということです。
200万円の車が来年、220万円になるからといって"今、買おう"というのはよっぽどの金持ちです。普通の人は"だったらやめよう"となる。つまり、アベノミクスで景気は回復しないし、吉野家の一件で限界が露呈したのです」

そうなのだ。「物価が上がった方がいい」「そうなりゃ、みんなが今買い物をする」なんてのは、バカな大金持ちの発想だ。庶民の生活はカツカツなのである。街には年収200万円の若者があふれている。主婦は安い小麦粉やトイレットペーパーを求めて、血眼で走り回っている。だから、吉野家も値下げなのだ。安倍はバカ言ってんじゃない。

◆マーケットに渦巻く 国債暴落懸念の背景

アベノミクスの化けの皮が剥がれた今、問題はこれからは副作用ばかりがクローズアップされる、ということだ。

景気は回復しない、物価は簡単に上がらない。しかし、日銀は物価が上がるまで「異次元の量的緩和」を続けるのである。その結果、どんな事態が起こるのか。

実はマーケットでは連日、恐ろしいことが起こっている。値幅制限を超えて国債価格が乱高下するため、今週は延べ5回もの売買一時停止措置が発令されたのだ。そのため日銀は証券会社などの幹部を呼んで会合を重ね、日銀の国債購入をアナウンスしている。

11日は翌12日に長期国債を一気に約2・5兆円買い入れると発表。15日には4・3兆円の資金供給を行うこともアナウンスした。

しかし、それでも国債はすぐに急落してしまう。12日なんて、週末なのに売りが広がり、長期金利(10年債)は0・620%まで跳ね上がった。金融機関は長期金利を引き上げ、黒田・日銀の「金利を下げて投資を促す」戦略は大外れ。

それどころか、「こんな危なっかしい国債は持っていられない」(国債ディーラー)という声が出始めている。その背景にあるのは、いくら黒田日銀が否定しても、「日銀が財政ファイナンスをしている」という見方だ。それが根底にあるから、常に暴落懸念がよぎる。日銀が国債を買えば買うほど、不安が広がる。実際、国債が急落したら、日本経済はクラッシュなのだから、恐ろしい。

国債の市場分析の第一人者、ソシエテジェネラル証券の東京支店長・島本幸治氏はこう言った。
「日銀が国債買い取りを発表しても価格が急落するのは、日銀が市場のコントロール機能を失っているからではないか。こんな見方が確かにあります。これが国債暴落懸念を想起させているのです。それでなくても日銀の別次元の量的緩和で国債の7割を買うことになったため、市場のプレーヤーが少なくなり、市場機能が弱体化している。今のマーケットは量的緩和の弊害ばかりが表に出ている状況です」

◆黒田総裁が急に出口戦略を言い出した

それだけに、黒田日銀の青ざめていること。エラソーな日銀が市場関係者とミーティングを重ねて、情報発信するなんて異例だし、黒田総裁自身も新聞のインタビューに応じて、こんなことを言い出している。

「(政府の財政状況は)おそらく持続できないと思う。財政赤字の縮小が必要だ」「現在の緩和策が続くわけではない。物価目標が達成されれば出口ということになる」「銀行券ルールはいずれ復活してくる」(11日)

ちょっと前までは「2%まではなんでもやる」と強調、出口戦略について聞かれても、「いま具体的に話すのは時期尚早だ」なんて言っていたくせに、完全に逃げ腰ではないか。

このコメントを見た大阪商大教授の佐和良作氏(経済学)はこう言った。

「マーケットの反応に慌てているのだと思います。黒田さんは理論だけの人でマーケットのサジ加減のようなものを知らない。こういう政策を打ち出せば、市場がどう動くかという皮膚感覚のようなものがない。その弊害が出ていますね。国債急落の懸念が出てきたものだから、財政再建の必要性や出口戦略に言及せざるを得なくなったのだと思います」

こりゃ、日本は大変な事態になりつつある。前出の小幡績氏は「国債暴落だけは避けなければいけないが、危ない。黒田日銀は、そのリスクを高めてしまった」と切り捨てた。

何が平均株価急騰だ。そんなのに浮かれている間に、日本経済はのっぴきならなくなってきた。



神保: 野口先生には何度もお越しいただいてお話をうかがっているのですが、相変わらず経済の門外漢の私たちは苦労しておりまして、ここにきていよいよ政治の大きな争点がアベノミクスといわれる、その3つの柱、そのなかでも金融政策が政府の正式な政策として出てきたと。野口先生は一貫として金融緩和では経済の活性化はできないと、以前にもお話しいただきましたが、政府はとくにそれをいちばんの柱に据えています。昨日、日銀が政策決定会議を開き、形の上では2%という数字も出ています。そのあたり、先生はどう評価されるのか、お願いします

野口: 金融政策の議論をするときにいちばん重要なのは、金融政策は効果がないということが、過去のデータからはっきりわかるんですね。ですから、まずそのことを確認する必要があります。日本はこれまできわめて大規模な金融緩和をやっているんです。2001年から2006年まで、量的金融緩和政策というのをやりました。さらに、2010年からいまに至るまで緩和政策を続けています。どちらも効果がなかったんですね。効果がなかったという意味は、物価上昇率に影響するとか、投資が増えるとか、GDP国内総生産が増えるとか、そういった効果がいっさいなかったということです。それだけでなく、金融政策の大前提にある金融緩和をすれば、経済全体にあるお金の量が増える、これが実現しなかったんですね。経済全体にあるお金の量をマネーストックといいますが、それが増えなかった。ここはもう少し専門的になりますが、お話しする必要があると思います。金融緩和というのは何をやっているのかといいますと、日本銀行がですね、銀行が持っている国債を買う、これが金融緩和です。なぜこれが金融緩和化といいますと、銀行の持っている国債を日銀が買う、するとその代金はですね、銀行が日銀に持っている当座預金に振り込まれるんです。当座預金が増えるんです。この当座預金のことをマネタリーベースといいます。いわばお金の元になるものですね。教科書的な議論によりますと、このマネタリーベースが増えますと、経済全体のお金の量、これをマネーストックというんですが、マネーストックが増えるということになっているんです。これを期待しているんですね。ところが実際何が起こったかといいますと、2001年から2006年までの間に、たしかにマネタリーベースは増えました、当然のことです、金融緩和をやったんですから。約2倍に増えたんです、この間に。著しい増大ですね。ところがマネーストックの方は、同じ期間に10%しか増えなかった、ほとんど増えなかった。額でいいますと、マネタリーベースは50兆円増えた、マネーストックの方も50兆円増えた、つまりマネタリーベースが増えた分しか効果がなかったということですね。で、教科書による議論では、マネタリーベースが増えると、お金の元になるものが増えると、銀行がそれに反応して貸し出しを増やすと、貸し出しを増やすとそれが預金になって返ってくる、預金というのがマネーですから、こういうプロセスで経済全体にお金が増えると、こういう風になっていたんですね。こういうことが起きるだろうといわれていたんです。そのプロセスは起こらなかったんですね。つまりお金を増やそうと思っても増やせなかったんですね。つまり、当座預金が増えれば貸し付けが増えるはずなんだけども、経済の全体に貸し付けの需要がない、企業は投資をしようと思っていない、したがって、貸し付けが増えない、このためにマネーストックが増えるということがなかったと

神保: で、結局、当座預金の中に塩漬けになっていたということなんですね

野口: 当座預金が増えたというそれだけだった。簡単にいえばそういうことです

神保: で、いま2%という数字が出てきたり、さらに無制限の金融緩和、お金をじゃんじゃん刷るという話が出ていますが、それはそうすれば多少は、さきほどおっしゃっていたマネーストックは増えてくる可能性というのはあるんでしょうか?

野口: 2%というのは消費者物価指数の年間の上昇率を2%にしようってことですね。これはできません、これははっきりいえます。1990年時代の日本でですね、消費者物価の上昇率が1%を超えたのは1回しかありません。これは2008年、このときは原油価格が上昇した。原油価格が上昇したために、日本の消費者物価指数が1%上昇した。これが1回かぎりです。それ以降は、だいたいマイナスの年が多かった。先ほどの量的緩和の時期もだいたいマイナスなんです。そういうことを考えると1%ですらできるはずがない、2%というのは、まず絶対、不可能なんです。そう言ってよろしいかと思います

神保: それは刷るお金の量を大幅に増やしたとしても、先生はむずかしいと。

野口: それは先ほど申しました当座預金が増えたということなんですが、日銀券を増やすというのですが、いま普通の取引では日銀券はあまり使いませんので、当座預金を増やすといった方が適切なんですが、当座預金の代わりに日銀券といってもいいですが、日銀券を増やすといっても、それだけのことだったということですね。だから、物価にも影響ないし経済にも影響がない。それどころか、経済全体のお金の量、預金も増えなかった。これが過去のデータの実際です。これがいま申した消費者物価が1%上がったのは、原油価格が値上がったときだけなんです。ほかは金融緩和の時期もだいたいマイナスなんです

神保: とすると、先生からみると、インフレターゲット、あるいは金融緩和によって経済を活性化するべきだと主張するスクールというか、その論理を先生はどういう風に分析しますか

野口: 論理より前に、実際のデータを無視している

神保: 実際には上がらなかったと

野口: 教科書どおりのことが起こらなかったと

神保: それは先ほどおっしゃった貸し付け需要がない、企業がお金を使うニーズがないと

野口: そうです

神保: だから銀行から借りないと

野口: そうです、そこを変えないとどうしようもないわけですね。しばしば金融政策っていうとですね、糸では引けるけれど、押せないだろうと、よくいわれるんですね。金融を引き締めて、過熱気味の経済を引きしめて引くことはできる、でも活性化していない経済を押すことはできない。糸のようなものだとよくいわれますね。そのことが現実の日本で起きているということですね

神保: それじゃ、個別に、なんで日本がお金が増えなかったのか、なんでそれが実現するといっているのか、そこらを先生に意見を伺いたいのですが、たとえば、ひとつの主張として、金融緩和をすれば、ちょっと専門的なのですが、実質利子率が低下をする

野口: これは経済理論の著しい誤解です

神保: 実質利子率が低下をするので投資が増加するっていう

野口: こういう議論の前提になっているのは、名目金利は実質金利+インフレ率という関係があるんです。フィッシャー方程式といいますが、で、インフレ率が上がったときに、名目金利が一定だから実質金利は下がるっていう議論です。それは間違いです。インフレ期待が上がると、実質金利が一定で、名目金利が上がるんです。実質金利が下がるってことはないです。個々の借入者の立場からみるとすればですよ、たとえば住宅ローンを借りてる、で、そういう人からみれば、名目の金利は固定されていますね。ですからインフレ率が高まると実質的な負担は減りますね、一人一人の借入者からみればそういうことは起こるんです。ただ、経済全体では何が起こるかというと、インフレ期待が高まれば、名目金利が上がるんです、まったく誤解しています、これは。一人一人の人間からみて正しいことを全体に拡大しようとしてるんで、これを合成の誤謬といいますが、明白な合成の誤謬に陥っています。だから、実質金利が下がることはありません

神保: まず、一点目としてインフレ期待が高まれば実質金利が下がるというのは間違いであると

野口: 間違いです。明白な間違いです

神保: はい、それでは二点目でいわれることは、インフレになるとみなさんが期待すると、消費が繰り延べされなくなると、お金持っておくと損しちゃうから使ってしまおうと、そういうことで消費が増える、支出が増えるんじゃないかとよくいわれます。

野口: これも明白に間違いです。一見したところでは、将来高くなるのだからいま買おうとなりそうに思うのですが、そうはならない。なぜかといえば、いま申したように、名目金利が上がるからです。名目金利が上がるから、いま買わないで貯蓄して将来に持ち越しますね、そうすると名目金利分だけお金が増えているわけでしょ、だからインフレになっても同じ量だけ買えるんです。だからインフレになったところで、人々が買い急ぐということにはならない。これもひじょうに重要なことです

神保: すると、物価上昇率と名目金利の上昇の度合いはほぼイコールと考えてよいと

野口: それが先ほどのフィッシャー方程式といって、名目金利=実質金利+インフレ期待という式ですね。ですからインフレ期待率が10%上がれば、名目金利も10%上がるという関係性ですね

神保: そうすると、あと先生の方で、この金融緩和が経済の活性化につながるといっている根拠になっている部分で、これはあるかもしれない、あるいはこれはない、ということがほかに何かありますか

野口: 先ほども申したように、金融緩和は実体経済に何も影響を与えていない、という過去のデータを率直にみるべきですね、まずこれをどう考えるか、私はこれを聞きたいです。このデータを無視して議論をするのは、科学的な議論ではありません

神保: これは結局、あれですね、上がるんだ上がるんだとあれだけいえば、かなり個人的な精神操作をされているように、個人的には、素人ながら思うんですが

野口: 精神操作ではなくて、資産価格というのはもともとそういう性質を持っているんです。たとえば株が上がると、株を買いますね、だから、株は上がりますね、不動産もそう、上がると思えば買う、だから上がる。こういうことは起こるんです。ただし、それがどこまでも続くかというと、実体経済と乖離してしまう。それがバブルですけども、どっかでチェックされることですね、これは実際に日本で起こったことですね。1980年代に不動産が上がると思うから、みんな不動産を買って、不動産が上がりましたね。でも買いすぎると、実際に不動産はそんなに収益を持たないということがわかって崩壊するわけですね。で、日本の場合、1990年頃崩壊しましたね。それで経済が大混乱しましたね。株も同じ動きをしました。38,000円くらいまで行ったものが落ちたわけですね。だから、バブルってのは起こるわけです。バブルは起こる、バブルは起こるけれど、実体経済と乖離すると、どこかで破綻するんです

神保: そこで先生ね、実体経済という言葉も素人にはなかなか難しいのですが

野口: 株でいえば、企業の収益です。不動産でいえば、不動産を使ったときの収益

神保: それがね、人々が上がるって期待するから上がるって話はバブルじゃないんですかって、じつは高橋洋一さんに聞く機会があったんですが、いやこれは実際にはマネーが増えているという実体があるから、バブルじゃないんだという説明をされたことがあるんです

野口: 不動産の価格が上がれば、その取引にお金が必要になりますから、自動的にマネーストックも増えます。マネーが増えたからバブルになったんじゃなくて、逆ですね、因果関係は。取引が増えればそれにともないお金が必要なのでマネーが増えます。それは当たり前です

神保: それは先生のお考えだとバブルなんですか

野口: 1980年代に日本で起きたことはバブルでした。いまの株式市場もたぶんバブルです。企業の実体はまったく改善していない、経済の実体はひじょうに厳しい状態にある、にもかかわらず株価だけが上がっていくのは、たぶんバブルですね

神保: もうひとつ、これもよくいわれているのですが、そうはいいつつも、いまかなり円安の方に振れたと、原因については諸説ありますが、要するに円安に振れた結果、少なくとも輸出関連企業にとっては、まあプラスになるんじゃないかと、これはある意味で実需といえるんじゃないかという主張はどうなんでしょう

野口: 円安になって輸出産業の利益が増えるんじゃないかというのは、それは間違いなくそうです。いま自動車産業がその恩恵に浴していますね。ただ、同じことが2005、6年にも起きたんです。これもバブルだったんです。だから、経済危機後に崩壊して急激な円高になりました。で、自動車産業が大変なことになりました。で、いまの円安をどう見るかということですけども、一般には安部バブルのせいで円安になっていると思われているんですが、そうではないんですね。なぜかというと、いまの円安がはじまったのは去年の10月頃からです。まだ、安倍政権が発足するだいぶ前です。なぜこうなったかといいますと、ユーロ危機が一服したからです。ユーロ危機が一服して、それまでユーロから日本に流れていたお金が逆流したんだと思います。ユーロから日本に入ると円高になりますね、それがユーロに戻ったということは円安になりますね。これが円安の基本的な理由だと思います。その証拠に、去年の10月頃からイタリア国債の利回りは低下しているんです。7%くらいから4%くらいに、それとほぼ対称的に円安になっている。ですから、円安の基本的な理由はユーロ、ユーロの動向です

神保: なるほど、で、先生ね、なかなかアベノミクスとか金融緩和とか、われわれには本当の意味で正確には理解しにくいんですが、たとえば野口先生もそのお一人だし、ほかにもいろいろ懸念を表明されている方は多いわけですよね。とはいえ、日銀も2%だとか、規制緩和については政府の路線を踏襲するとか、そういう共同声明を出しているのをみてね、これもし、ほんとうにジャブジャブお金を刷り、国債をどんどん買いということをなっちゃって、先生がおっしゃるように、実際にはインフレターゲットにも行かない、いまの状態だと行かない間もずっと刷り続けるというようになりそうですよね、これはどういうリスクというか、それを実際にやった場合に、一般市民としては何を懸念してなきゃいけないということになりますか、何を心配しなきゃいけないか

野口: いまの方針を続ける場合、危険はないんです。なんで金融緩和をやっているかというと、2%物価上昇率を上げるとか、活性化するとかいっていますが、あれはまやかしに過ぎない。で、本当の目的は国債を買うことなんです。たとえば、いま大型補正をつくりますね。で、国債を5兆円増発することになります。で、ほっぽっとくと金利が上がっちゃうんです。それを抑えるために、日銀が買う必要があるんです。国債の発行額は、この数年急増してるんです。で、それによる金利上昇を抑えるために日銀が買ってるんです。それが金融緩和です。金融緩和の本当の目的は、物価上昇率を高めることではありません。国債を買うことなんです。このことを国債の貨幣化といいますが、国債が増発されて金利が上がるのを防ぐためですね。それはいまも行われています。ただし、それはいつまでもできるかっていうと、できなくなりつつあるんです。つまり、さっき、いちばん最初に金融緩和は何をやっているかというと、銀行が持っている国債を日銀が買うんだといいましたね。銀行はイヤだということができるんですね。つまり、日銀が買いたいだけ買えないということなんです。で、こういう状態を札割れといってるんですが、札割れはじつは去年の9月から頻発しています。ということは、いまのまんまの金融緩和は進められなくなる。無制限の金融緩和やるっていうんですが、無制限にできるとは限らないんです、無制限にできなくなりつつあるんです。これを突破する方法は、日銀に直接買ってもらうことです、市場を通じながら。国債の日銀引き受けですね、国債の日銀引き受けをやると、この問題はぜんぶ解決します

神保: そこまでいきますか?

野口: わかりませんけれど、いまの法律が行き詰まりつつあるんですから、そうなる可能性はありますね。ただし、そういったことを政府が求めてきた場合に、日銀はNOっていうんです。いまの日銀法ならNOといえる。これが日銀の独立性ですね。ただ、政府の一部には、この独立性を破って、日銀法を改正しようって考えを持っている人もいる。で、そうすると、政府は日銀に命令できるんですね。こうなれば事態は一変しますね。で、じつはいまの日銀法といいますのは、これは1989年にできた法律で、その前の法律、これは戦時立法で昭和17年にできた法律ですが、この法律では政府が日銀に命令できることになっているんです。で、それがいろいろな問題を生んだためにですね、戦後のインフレーションとか、そんな問題を生んだために、いまの日銀法になったわけです。それを踏みにじろうというのですから、これはひじょうに問題です

神保: いまの問題でもあれですね、日銀法の改正論議というのは、よく聞くのは手段の独立とか、目的の独立みたいなことで、手段は自分たちで自由にやっていいけれど、目的は政府と共有しなければいけないから、改正が必要だと。ほんとうにウォッチしなければいけないのは、手段も命令するような

野口: 目的を共有すれば手段も共有することになります。目的が決まれば手段は束縛されますね。だから、目的と手段を分離するなんて、それは詭弁だと思いますよ。とにかく、いまの法律では、目的についても手段についても、政府は命令できないんです。それを命令できるようにしよう、戦時立法に戻そうってのが、日銀の独立性を破ろうって考え方です

神保: で、先生いまハッとしたんですが、金融緩和の目的は国債を買うことだと

野口: もちろん

神保: で、金融緩和の方は実際は仮面をかぶっていて

野口: 仮面というのは2%物価上昇率を上げるとかですね、できもしない2%という目的を上げるのはなぜかというと、本当の目的を隠すためです

神保: 隠すため

野口: 2%といえば、いつになっても実現できませんから、いつまでも金融緩和政策をとり続けることができます

神保: 国債をどんどん買い続けることになると

野口: そうです

神保: そうすると金利が上がらないと。そうすると、これはものすごい高等手段ですよね

野口: 高等手段ではないです。歴史が示しているのは、財政赤字が積み上がった政府は常にそういうことをやっているということです

神保: この話はどこに首謀者がいるんでしょうか
 
野口: どこに首謀者がいるかわかりませんけれど、少なくとも巨額の財政赤字から抜け出せない政府は、インフレを求めていますね、あるいはこういう状況の中で、赤字が増えるから財政ができない、政治家は財政を増やして人気取りをしたいですから、その制約はぜひとも外したいですね。で、インフレを求めている人は世の中に大勢いますね。負担を負うのは国民です

神保: ひじょうに初歩的な質問で、どういう形で国民に負担という形で返ってくるんですか

野口: 定期預金がチャラになるんです。これは日本国民は終戦直後に経験したことですよ。終戦直後に、基本的にいまと同じようなことが起きて、インフレが起きたんです。物価が120倍くらいになったんですね。で、戦時中に戦時国債をたくさん買わされましたね。この国債が紙切れになったわけですね。そのことがまた起こるということです

神保: それはハイパーインフレ

野口: ハイパーではないですね、ハイパーってのは一兆倍とかそういうことですからね。日本の場合、100倍くらいですからね、100倍でもね、100円が1円に、100万円が1万円になるのは、大変なことですよ

神保: いまの100倍なんていう可能性とか危険性はどれくらい現実的なものとして、われわれが考えなきゃいけないんでしょうか

野口: それはどの程度の国債を発行するか、どの程度財政支出を増やすかによりますね、どの程度というのはいえません。何をやるかによります。ただし、終戦直後と違うところは何かといいますと、いまは資本取引、国際的な資本取引が自由になっているということですよ。その結果、何が起こるかというと、日本でインフレが起こると予想したら、日本の資本は海外に逃げ出すということです。これをキャピタル・フライトといいますが、キャピタル・フライトをするとなるとそれは円を売るということですから、円安になりますね。円安になって輸入物価が上がりますね。ですから、国内のインフレが加速されますね。そういうことになって、コントロールできなくなる可能性がひじょうに強いですね。つまり、日銀引き受けを認める、日銀の独立性を破るってのは、そういう危険に日本を晒すってことです。だから、それゆえにひじょうに重大な問題なんです

神保: で、いまの話は、自民党の三本の矢といっているけれども、実際は三本めの矢は実際はほとんどまだ出てきていない感じで、成長戦略とか規制緩和とか出ていうないので、じつは財政出動だということなんですか、これは

野口: 財政出動はすでに決めたわけですね、で、財政出動をやると国債は増えますね、金利が上がりますね、金利が上がると問題なので日銀が買うと

神保: すると結局は、財政出動を中心に据えた、でまあそれをちょっと金融緩和という

野口: それをスムーズに行うために金融緩和をやるわけですね。だけど、財政出動のために国債を買うのが目的だというと批判が集まるから、だから物価を上げるんだといってるんですね。だからそれはまやかしの目的です

神保: だから変な話、物価は上がらない方がいいんですね、そのまま買い続けることができちゃうから

野口: 物価は上がらないんです。影響はないです。でも、金利上昇は抑えるって効果は明らかにあるんですよ、国債を買っているわけですから

神保: 危険な兆候を見破るために、どのあたりをわれわれはウォッチしなければならないですか

野口: 円がある程度の水準になったら危険ですね。ですから資産をドルに換えることを真剣に考えないと危なくなりますね

神保: ある程度といいますと、いったん90円くらいまでいったのが、いま88、87円まで少し円高に戻していますが、どのくらいを

野口: 簡単な計算を申しますとね、2%に上がるっていっているわけでしょ、消費者物価を2%上げるためにはですね、輸入物価が4割上がる必要があるんですよ、過去のデータからみると。ていうことは、円が4割り安くなれば、そうなるんですね。ていうことは、いま仮に90円だとしますね。4割ということは120~130円くらい。そのくらいになりそうだったら危険ですね。つまり日本人はですよ、自国の通貨である円を安心して持てなくなるってこです。ひじょうに悲劇的なことですね。円の価値を守るってことこそ、政治的なもっとも基本的な責任じゃないですか。それが果たせなくなるってことです。どこでウォッチしたらよいかというひとつの答えがそれです

神保: 為替をみると。先生どうですか、ずっと経済をみてきて、ここにきて来て日本がついに、自民党政権に戻って、インフレターゲットとか、金融緩和でデフレ脱却とか、どうも国の政策で出てきたと、一方で20年、何をやってもなかなか日本の経済の活性化ははかれなかったというのも事実で、多くの人はなんだかよくわからないけれど、こんどはこっちにやらしてみてもいいんじゃないかと

野口: 違います。それはさっきいったように20年間金融緩和をやり続けたんです。さっきいいましたように。で、効果がなかったんです。つまり、ほんとうは経済の構造を変えなくてはいけないんですね。世界の状況の変化に対して。それは手術みたいなもんですよ。でも、手術は痛いからいやだと言い続けてきたんです

神保: それは規制緩和とか既得権益を切るとかのことですね

野口: それは嫌だから、金融緩和という麻薬を飲みましょうと、それを20年間飲み続けてきたんです。いまになって起こったことではありません。20年続けてきたんです。それをさらに続けようということです

神保: なるほど

野口: だからまだ麻薬を飲み続けていきたい、末期的症状ですね。だから、真剣に考えなくてはいけないです。日本ていう国を捨てざるを得なくなっていますね、いまや

神保: 先生、僕の方でほんとうは先生に聞くべきことを聞きそびれていて、ということはほかにありますか

野口: だいたいカバーしたと思いますが

神保: わかりました。どうもありがとうございました


投稿者 hal : 2013年4月16日 23:27

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